そもそもですが、医療業界とはどのような仕事を指すと言えるのでしょうか。一般的には医師や看護師などを思い浮かべやすいでしょう。しかし医療業界に含まれる仕事は医師や看護師だけではありません。例えば他に製薬会社の方や薬剤師の方なども大きな意味では医療業界に含まれます。またその他にも介護福祉士の方や理学療法士、それに放射線技師や病院事務の方など多くの職業の方が医療業界に含まれるのです。このように医療業界はとても幅の広い業界と言えるでしょう。
上記のように様々な人が働く医療業界ですが、今全体的にとても大きな課題を抱えており、それは人材不足という問題です。例えば医療業界でも代表的な職種の医師ですが、特に地方を中心にその人数が足りていません。そのために大学病院などはその数を増しているものの、町中にあるような診療所はどんどんその数を減らしています。これは足腰を悪くしてしまったような高齢者や親が病院に連れて行かなければならない小さな子供の医療にとってとても大きな問題と言えるでしょう。病院が身近な生活圏の中に無くなってしまうからです。
また医師だけではなく、例えば介護福祉士などの介護関連の人材もまるで足りていません。平均寿命が延びているにもかかわらず、子供が生まれないために社会の高齢化が進んでいくという現象は、先進国の間で共通の問題です。そして日本は先進国の中でも特に高齢化のスピードが速い国なので、介護関連の人材不足は致命的な問題と言えるでしょう。
医療業界の人材不足は患者や介護サービス対象者という立場だけではなく、そこで働く人たちにとっても深刻な問題です。例えば看護師の世界や介護の世界では、人材不足による職場の忙しさから労働環境の悪化が問題になっています。また同じことは医師の世界にも言えるため、「医者の不養生」を業界全体が地で行ってしまっている状況です。
そのため働きながらメンタルに不調をきたしてしまったり体調を崩してしまう人も多くいます。そしてそのことが退職に繋がるため、残った人の負担がますます大きくなってしまうという悪循環なのです。
ただ上記のような状況は、例えば今医療業界への転職を考えている人にとってはチャンスとも言えます。なぜなら人材不足であるがゆえに医療業界の仕事はどれも給与的に恵まれやすいからです。もちろんその代わり忙しいというデメリットもありますが、そこはきちんとした労働環境やワークライフバランスを守っている勤務先を探せば問題ありません。
薬剤師での転職を考えているのであればファーマキャリアがおすすめのサービスです。なぜならば転職サポーターの育成に力を入れており、給与を良くしたいという場合の条件交渉や、子育てや介護などの理由で時短勤務を行いたいというような場合の条件交渉なども積極的に行ってくれるからです。
介護福祉士の仕事は、広い意味で介護サービス利用者の生活全般をサポートすることです。それは日常生活の世話を行うという意味ももちろんありますし、それだけではなく不安になりがちなサービス利用者とその家族の相談にのってメンタル面のケアも行うということです。
看護師の仕事は医師の治療や診断のサポートと、患者のためのサポートの2つに分かれます。また医師は責任重大であることからプレッシャーが大きく、患者の方も大きな不安を抱えている場合が多いだけに、看護師がそれぞれに対して精神的な意味でもサポートをすることが大切になります。
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今、医療業界は人材不足に悩まされています。それと言うのも日本社会の高齢化は世界でもトップクラスのスピードで進んでいるため、高齢者を中心に医療や介護に関する需要が激増しているからです。このまま医療現場の人材不足が進めば近い将来深刻な問題に発展する可能性も高く、社会の危機と言えるでしょう。
特に調剤薬局を見ていると薬剤師は棚から薬を出すだけではないのかと思うことがあるかもしれませんが、その認識は誤っています。薬には副作用もありますし、同じ薬効でも薬によって値段などが異なるため、患者の方の体調や考え方に合わせて調剤を変える必要があり、薬剤師は薬と患者の架け橋になっているのです。